泣ける話・感動する話の短編集

1日1話、3分で読める短い物語。家族、恋愛、友情、動物、仕事、別れ。全219話を無料で読めます。

気分からさがす

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新しい物語

175
創作仕事約3分

合鍵、一本

スーパーの一角にある小さな合鍵屋。山がすり減って丸くなった古い鍵を一本持って、七十代の女性がやってきた。

174
創作友情約4分

鮭をくわえた熊

親友が新婚旅行で買ってきた木彫りの熊。「いらん」と言ったあの日から二十二年、熊は二人の家を黙って行ったり来たりしている。

173
創作別れ約4分

家の電話を解約する日

昭和四十三年から五十八年使った家の電話を、やめることにした。回線が止まる正午の前に、七十九歳はスマホでその番号を押してみた。

172
創作見知らぬ人約3分

燻製の本のあいだ

図書館の「ご自由にお持ちください」の棚でもらった燻製の入門書。ページのあいだに、知らない二人のメモが九枚挟まっていた。

171
創作家族約4分

父の豆知識は九割うそ

父の言う豆知識は、だいたい嘘だ。大学入試の朝、会場まで車で送ってくれた父が、降りる直前にまた何か言い出した。

170
創作学校・先生約3分

二年三組の時計

中学二年三組の学級日誌。日直が毎日一行ずつ書き、担任が赤ペンで返事をする。十月のあるページから、教室の時計の話が始まった。

169
創作挑戦約3分

カツ丼二・五キロ

三十分で食べきればタダ、写真が壁に貼られる。体重五十二キロの高二が、商店街の定食屋のチャレンジメニューに挑んだ。

168
創作動物約3分

帰舎時刻

岩手から放たれた六羽のレース鳩。栃木の屋根の上で、六十八歳の男が帰りを待っている。

167
創作恋愛・夫婦約4分

義実家メモ

結婚して最初の正月、夫の実家は大分の山の中。三日間で覚えた決まりごとを、妻はスマホのメモに書きためた。

166
創作家族約2分

一日四百十二円

仙台で一人暮らしを始めた十九歳の息子。その家計簿を、父は居間のタブレットで見てしまった。

165
創作仕事約3分

百八十六段

長崎の実家の米屋を手伝うことになった。最初の配達先は、車の入らない坂の上。五キロの米を担いで階段を上る。

164
創作学校・先生約3分

プール開放、十四日間

夏休みの小学校のプール開放。監視台の先生の前に、毎日水着で来て、一度も水に入らない二年生がいた。

163
創作別れ約2分

仲人の時計

二十八年前に仲人をした元部下から、はがきが届いた。印刷の文面の下に、手書きで一行だけ添えてあった。

162
創作友情約3分

長考、四十日

札幌に転勤した高校の同級生と、LINEで将棋を指している。一手ずつ、気が向いたときに。もうすぐ二年になる。

161
創作見知らぬ人約5分

もうひとりの佐久間さん

丁目がひとつ違うだけの、同じ番地の同じ苗字。四十年あまり、郵便を届け合ってきた相手の顔を、私はまだ知らない。

160
創作恋愛・夫婦約4分

冷蔵庫はどっちが持っていく

四年いっしょに住んだ彼女と別れることになった。家具を分ける日曜日、黄色と青の付箋が用意された。

159
創作挑戦約3分

親子リレーまで十九日

小学二年の娘の運動会に、親子リレーがある。四十一歳、最後に全力で走ったのはたぶん高校の体育祭だ。

158
創作動物約4分

留守番の九官鳥

昭和四十六年の秋、出稼ぎに行く前の夫が、秋田のデパートで九官鳥を買ってきた。一万五千円もした。

157
創作仕事約3分

十九時四十分の値引き

閉店まであと一時間二十分。スーパーの鮮魚売り場で値引きシールを貼るパートと、毎晩同じ時刻に来る作業着の客。

156
創作家族約4分

代打の三者面談

母は夜勤明け、父は名古屋に単身赴任。中三の弟の三者面談に、大学三年の兄が行くことになった。

連載・長編

連載

閉店まで、あと十日

閉店が決まった町の写真館。最後の十日間に来た客たちと、ショーウィンドウに五十五年飾られていた一枚の写真。

長編

返事は、港で

小学四年で横浜と奄美大島に離ればなれになった二人の、二十年分の手紙。No.66 の返事は、二年来なかった。